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新スーパーコンピュータ「AOBA-1.5」導入披露式典を開催しました

2023.10.13

2023年9月22日、東北大学サイバーサイエンスセンター (以下本センター) において新スーパーコンピュータ「AOBA-1.5」導入披露式典を開催しました。本センターでは2023年8月より新サブシステム「AOBA-S」の運用を開始し、既設サブシステムであるAOBA-A/Bと合わせた本センターのスーパーコンピュータをAOBA-1.2からAOBA-1.5へとアップデートしました。本式典は,AOBA-1.5の本格運用開始を記念して開催されたものです。

AOBA-Sは504台のNEC製最新ベクトル型スーパーコンピュータシステム「SX-Aurora TSUBASA C401-8」から構成され,計21.05 PFLOP/sの演算性能と9.97 PB/sのメモリ帯域幅を備えています。AOBA-Aと比較すると演算性能では約14倍、メモリ帯域幅では約11倍の性能向上となり、従来より格段に大規模かつ高精細な数値シミュレーションが可能になります。また,AOBA-Sは本学青葉山新キャンパスで整備が進められている次世代放射光施設「ナノテラス」と高速ネットワークによって直結され、実験機器から生成される膨大な観測データを蓄積・解析するための受け皿としての機能も期待されます。

導入披露式典は本センター本館5階大会議室において開催され、文部科学省研究振興局参事官 (情報担当) をはじめ、本学理事、NECの来賓、各国立大学や国立研究所の情報基盤センターの関係者を始めとし、約80名の方々にご出席いただきました。まず本センター長 菅沼拓夫教授がセンターの教職員を代表して式辞を述べた後、本学理事・副学長 青木孝文教授より挨拶がありました。その後、文部科学省研究振興局参事官 (情報担当) 嶋崎政一氏、NEC Corporate EVP 雨宮邦和氏、東京大学情報基盤センター長 田浦健次朗教授からそれぞれ祝辞をいただきました。最後に本センター 副センター長 滝沢寛之教授より、AOBA-1.5導入の経緯とシステムの概要について説明がありました。式典終了後にはスーパーコンピュータが設置されている本センター2号館1階において新スーパーコンピュータの見学会が行われました。

見学会に続いて、再び本館大会議室において記念講演会が行われ、3名の講演者にご登壇いただきました。名古屋工業大学大学院 平田晃正教授は、本センター教員との共同研究でもある熱中症リスク評価シミュレーションや、新型コロナウィルス感染者数の予測に関する研究に関してご講演いただきました。海洋研究開発機構 付加価値情報創生部門 地球情報科学技術センター長 石川洋一氏には、気候変動シミュレーションにおける高性能計算の重要性と、AOBA-Sの計算能力に対する期待に関してご講演いただきました。NEC Corporate SVP兼インフラ・テクノロジーサービス事業部門長 木村哲彦氏には、SENAC-1の共同開発から60年以上に渡り続くNECと本センターの高性能計算技術に関する産学連携の取り組みに加え、量子計算を始めとする未来のコンピューティング技術に関して展望を述べられました。

講演会終了後には引き続き、青葉山コモンズみどり食堂において交流会が開かれ、工学部・工学研究科長 伊藤彰則教授のご発声で乾杯を行いました。終始和やかな雰囲気の中で、各大学の情報基盤センター長やNECのご来賓など学内外の方々からスピーチをいただき、盛況のうちに閉会しました。

式典の様子
スパコンAOBA-1.5
菅沼センター長(式辞)
青木理事(あいさつ)
滝沢教授(導入経緯説明)
平田名古屋工業大学先端医用物理・情報工学研究センター長(記念講演)
石川海洋研究開発機構 地球情報科学技術センター長(記念講演)
NEC Corporate SVP木村様(記念講演)
野口正一先生(交流会スピーチ)